since 1984
1984年創業のデル・コンテ社は、ヴェネト州ヴィチェンツァにあります。同市は、皮革製品よりむしろジュエリーの産地として世界的に有名です。なぜ戦後バッグや靴の産地として成長したのかと言いますと、鞣工場が成立したからです。それ故、ヴィチェンツァでは1950年代創業のバッグメーカーが多く誕生したしました。
このイタリア北東部の地域は、1970年代に入ると大量生産と大量消費の時代が行き詰まりを見せたのに対して、特にファッションの世界で良好なパフォーマンスを見せ「第三のイタリア」と呼ばれるようになりました。この定義は多様ですが、フィレンツェからヴェネツィアにかけての中部・北東部七州の職人企業がそのデザイン力によって世界の市場を獲得したことにあります。
デザイン創造の秘密はなにか?
デザインの創造力はルネサンス様式の建築物から触発されています。
創業者のブルーノ・アヴェール(1957-)は、ヴェネト州ヴィチェンツァに生まれ育ちました。建築家パラーディオ(1508-1580)によるルイジ・ダ・ポルトの邸宅の前庭で遊んだ幼い頃の記憶からデザインを創造しています。しかし、その幼友達のジャンフランコは、家族とともに南米のヴェネズエラへ移民となって出て行ってしまいました。その記憶の中から、創業に際してブランド名をその友人の姓 DEL CONTE と名付けました。
このルイジ・ダ・ポルトこそは、隣町ヴェローナであった悲恋「ロミオとジュリエット」(シェークスピア)の元になる作品をこの別荘で著したと考えられています。
MIPELISSIMA(ミペリッシマ)受賞
DEL CONTE社の長年のハンドバッグにかける情熱は、ミラノで年2回開催されるバッグの見本市MIPEL展で最高の賞を獲得することに繋がります。イタリアの職人企業によるクラフト生産は、素材から触発されてデザインを創造していくことにあります。